PARENTS JOURNAL
借りたチカラも自分のチカラ - 大山加奈 -
「ひとを頼ること、弱みをみせること」を苦手としていたわたしに
「ひとを頼ること、弱みをみせることの大切さ」を教えてくれた小さなふたつの命。
そのおかげでたくさんの方に子育てに携わっていただき 「子育てはみんなでするもの」 というのを体現するような日々を送っています。
双子でなければきっとわたしは周りを頼ることはせず、 「母親なのだから・・・」という自分の中の決して正しくはない常識や固定観念で自身を縛り付け、 すべてひとりで頑張ろうとしてしまっていたと思います。
実際にMATO by MARLMARLの 「ペアレンツ」バッグ に出会うまで、 「マザーズ」バッグ という名称に対して特になんの疑問も違和感も持っていませんでしたから・・・
だからきっと周りを頼らざるを得ない双子を授かり、 力を借りることの大切さや母親だからってすべて背負うことはない ということを子どもたちから教えてもらっているのだと思っています。
約5年にわたる不妊治療を経てやっと授かることのできた待望の我が子。
嬉しくて嬉しくて仕方ないはずなのに手放しで喜ぶことができませんでした。
実母は他界しており、義父母は遠方、そんな環境の中で双子なんて育てられるのだろうかという不安が常に頭にありました。
そんな不安を抱えながらはじまった多胎育児でしたが、夫が子どもたちのお世話はもちろん、家事のすべてを担い、妹夫婦も仕事の合間を縫って足を運んでくれて、最も大変な新生児期を万全のサポート体制で伴走してくれました。
また自治体の助成を利用し産後ドゥーラさんに心身ともに多大なるサポートをしていただいたことも非常に助かりました。
そしてなんといってもご近所さんたちが子どもたちのお世話や愛犬のお散歩などを買って出てくださり、その優しさにどれだけ助けられたかわかりません。
今のこの時代に密なご近所付き合いがあるだけで珍しがられ、そのようにサポートしてくださっているという話をするととても驚かれます。
わたし自身もこんなにご近所さんたちに助けていただきながら子育てをする自分の姿なんて想像もしていなかったのでとても不思議な感覚です。
このようにたくさんの方の力を借り、助けていただきながらの子育てなので、大変なこともありつつも毎日笑顔で過ごすことができています。
「子どもを育てるには村が必要」ということわざがあるようですが、まさに村で育てていただいている、そんな感覚です。
すごく恵まれた環境に感謝の気持ちでいっぱいです。
ただその一方で申し訳なさやふがいなさを感じてしまい、心苦しくなることも。
そんなときはある方からいただいた「借りたチカラも自分のチカラ」という言葉を思い出すようにしています。
力を貸してもらえるような関係性を築いてきたのは自分の力であるという意味でもあるのですが、今は力を借りてばかりだけれどいつか自分に余裕ができた時に、 この借りた分の力を自分の力に変えて、別の困っている方に届けようといった形でこの言葉をとらえ、それが心の支えとなっています。
そんなふうに力を借りたり貸したりしあえたら、みんなが幸せな素敵な社会になると思うのです。
だからまずはひとを頼ること、力を借りることに対して感謝の気持ちは大切に、引け目や負い目を感じずにいたいものです。
力を貸してもらった時につい「すみません」と謝ってしまいますが「すみません」ではなく「ありがとう」と言えるようにしたいですね。
「マザーズ」バッグに対して疑問をもつことさえなかったわたしですが
「ペアレンツ」(ここでいうペアレンツとは夫婦という意味だけでなく子育てに携わるすべてのひとたちのこと)での子育てを経験し、このバッグの名称が変わることの意味の大きさをものすごく感じています。
‐ わたしが愛用しているのは、 明るいホワイトのPELICAN BACK PACK
これまで「子育ては母親が色々なことを犠牲にして頑張るもの」という固定観念に縛られ苦しんできたママたちがたくさんいるはずです。
でも子育てって年月の経過とともに当事者でなくなっていくものだし、渦中にいるときは1日1日を無事に終えるのに必死で声をあげたくてもそんな余力も余裕もない。
だからこそ子育てはみんなでするもの、社会で担っていくものという風潮に変えていくためにはこうしてひとつひとつの当たり前や常識を疑い、壊し、変えていくことが必要だと思うのです。
「マザーズ」バッグから「ペアレンツ」バッグに。
まさにわたしがそうであったように、この大きな1歩をきっかけに子育て中の方だけでなく、皆が自身の中で持っている子育てに対する当たり前や常識を見つめなおす機会ができるといいなと。
その小さなひとりひとりの意識の変化が大きなうねりとなり、ママやパパが笑顔で子育てができる、そんな素敵な未来を創造する大きな力となっていくことを心から願います。
大山加奈
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