MATO PARENTS JOURNAL
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WHITE
パートナーシップは子どもから学ぶ
石丸大志[GUEST]
「マザーズバッグ」について、実はそんなに深く考えたことはなかった。
それはきっと、その名前で、僕ら夫婦が使うバッグのことを呼んだことがないからだ。
7年前、第一子の妊娠が分かった時、これからの育児で必要になるものを揃えていた際にどこかで「マザーズバッグ」という言葉を目にしていたと思う。
ただ思い返しても「マザーズバッグ」と呼ばれるものを買うという選択を僕らはしなかった。
昔から2人でリュックやトートバッグ、エコバッグなんかをシェアして使っていたから、育児が始まってもその意識は変わらず「2人で使う」が前提だったからだ。
もともと僕は子どもが生まれる前から育児がしたかったし、子育てできる期間が永遠じゃないことも、家族とずっと一緒に居られるわけじゃないこともわかっていた。
だからこそ家族の一員として家族に向き合うことは、自分にとって一番大切にしたいことだった。
「二人で一緒に子育てする」ことは僕ら夫婦にとっての大前提。
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けれど世の中の育児情報は、以前より増して「男性も育児を!」とうたっているにもかかわらず、子育てグッズやメディアには先に「ママ〇〇」というものが多いことに気がついた。
もちろんママが主体で育児をする、というのが今までの当たり前だったから、だろうけれど・・・。
そこで改めて、昔の固定概念のまま「マザーズバッグ」も当たり前のように浸透しているんだなと感じた。
その名前の「ママ」の中には、育児をするパパも含まれているのかもしれない。
特に気にしなければいいのかもしれない。
でも、人によっては「ママだけが使うものなのか」と思い、意識を向けない人もいるだろう。
調べてみると「パパバッグ」なるものも世の中には既にあり、ママだけではないことに安心しつつも、
育児というフィールドにおいて、パパとママでわざわざ分ける必要もないのではとも思う。
色んな子育ての在り方があるが、まず‟育児の垣根をなくす”はじめの一歩は夫婦からだと思うから。
「マザーズバッグをペアレンツバッグに」のように、名前を少し変えることで世の中の認識が変わり、触れる機会が広がり、ママもパパも一人一人が主体性を持って考えるきっかけになるかもしれない。
その先で「子育てに携わるすべての人=ペアレンツ」という定義だからこそ、家族のかたち、子育てのかたちにとらわれず、育児をする人みんなが自主的に育児に取り組むきっかけになれるような気がした。
今年わが家の長男は小学校1年生となり、ランドセルを背負って毎日学校を楽しんでいる(らしい)。
そんな長男のランドセルを選ぶときに思ったのは、今の時代は本当に色の種類が豊富になったなということ。
30代後半の僕らが小学生だった頃は「男子は黒、女子は赤」がまだまだ定番だったと思う。
しかし今、我が子を通じて改めて世の中のランドセル事情を知ると、色の種類は当時と比べて相当増えていた。
朝の通学時に見守りをしていると、子どもたちは自分で選んだであろう色とりどりのランドセルを背負っているのだ。
そんなランドセル事情を見て、ジェンダーによる「こうあるべき」という固定概念や、垣根がどんどんなくなってきているように感じた。
「マザーズバッグ」も、名前の通り「ママ=女性がファッションに合わせたくなるような色合いやデザイン」があったっていい。
しかし、育児に必要な要素が「子どもとのお出かけ時に必要なものがたくさん入る大容量のもの」であるなら、
MATO by MARLMARLのペアレンツバッグのように「ママが使うもの」に囚われることなく、夫婦で、そして育児をするみんなで使える、ジェンダーフリーな色合いやスペックを重要視したデザインでもいいと思う。
育児をするパートナー同士でシェアし合えるグッズが、これからも広がってほしいと願う。
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実際に僕も妻もPELICAN BACK PACKを使ってみて、想像以上の大容量だったため、最初は物を入れすぎてどこに何があるか分からなくなってしまったけれど、、
ただそれは、これまでバッグをいくつも使っていた分の荷物を一つに収納できるくらいのスペースがあるということ。
そしてこの問題も、リュックの両サイドにジップがあるため開けば難なく見つかるということを、使っていくうちに気付いたり。
すぐに僕らの日常に溶け込んでくれて、もう一人の育児のパートナーとなった。
さいごに、「垣根をなくす」についてもう少し。
家族における男女の役割も、昔からあるものが正しいとは思われなくなっているし、
単純に男女という二元論だけで分けられない、と世の中も変わり始めている。
女性も自身のキャリアを積んでバリバリ働きたい人だっているし、
男性も仕事より家事や育児が好きだという人だっている。
女性もDIYが好きな人もいるし、男性もスイーツが好きな人もいる。
だからこそ家庭の中でも、もっとニュートラルに、フラットに、お互いに得意なことを活かし合っていいのだし、社会的な常識や周りの目よりも、自分たちが納得する関係性を見つけていった方が自分も、相手も、生きやすくなる。
一緒に暮らす、一緒に生きるってその方がきっと、確実に、お互いにとって優しい。
そう思うと育児も「ペアレンツバッグ」という概念が、古くからある垣根を超えて、一緒に育児に取り組みやすくなることの一助になれば素敵だ。
だって、パパである男性も、きっと昔からこう思っていたって僕は信じているから。
家族のために仕事を頑張っている時も、普段離れている家族を想う時も。
「ママ、本当はパパも、あなたと一緒に育児がしたいんだ。そのための自分の役割は仕事を頑張ることなんだ。」
昔はきっとそうだった。
仕事という役割を通して自分も育児の力になるよって間接的に伝えてた。
でも今はもっと直接的に関われる機会が増えている。確実に。
そこをつなぐ役割を「ペアレンツバッグ」という名前やモノ自体も、担っている。
このバッグを通して、パパからの想いを伝えよう。
大好きな子どもにも、最愛のママにも。
あなたと一緒に育児がしたい。
いつも本当に、ありがとう。
石丸大志
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