MATO PARENTS JOURNAL
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RAINBOW
性別の垣根を超える、ニュージーランドの子育て
Shigeno Kondo
Kia Ora
はじめまして。
3月からMATO JOURNALの
ライターとして
活動させていただくことに
なりました Shigeno です。
現在は日本とは遠く離れた南半球の島国、
ニュージーランドで暮らしています。
MATO by MARL MARLさんの
インスタのフォロワーである私は、
ユニセックスで夫ともシェアできるデザイン、
それでいて機能性への配慮もありと、
さすがのJapanese-madeのグッズを見ては、
日本に帰国ができた時には
お店に立ち寄るのを楽しみにしていました。
そんな時に
ふと目にしたライターの募集のお知らせ。
MATO by MARL MARLさんの
ママだけではなく、
パパも意識した育児商品の展開や
サステナビリティーなど、
地球環境にも配慮したコンセプトは
私がここ、ニュージーランドでの暮らしで
大切にすることと共感することが多く、
そうした体験や経験
また日々の子育てを通しての
迷いや気付きを
シェアできたらと応募しました。
最初のジャーナル。
どんなことからお話ししようかと
考えている間にアップされた
中澤さん、かきぬまさんの
“ジャーナルを通して伝えたいこと”への想い。
真っ直ぐで、でも温かみのあるストーリー。
一読者として
今後の投稿が楽しみとなりました。
私もやはりお二人にならって、
まずは私の想いをお伝えすることに。
でもその前に、
この後の私からの発信が
より伝わりやすくなるよう、
今回はニュージーランドのことを
少しご紹介させていただきます。
NZってどんな国?
早速ですが、
ニュージーランド(以下NZ)と聞いて、
どんなイメージをがありますか?
2019年に日本で開催された
ラグビーのワールドカップでは
NZ 代表の
ALL BLACKS(オールブラックス)の
迫力あるハカ(マオリの伝統舞踊)が
印象に残っている方も多いのかな。
映画好きであれば
「ロード・オブ・ザ・リング」など、
雄大な大自然を生かした
映画のロケ地として
ご存知の方もいらっしゃるのかも。
NZは南半球に位置することから
季節は日本と真逆で、
3月の今は夏から秋に向かっている時期。
まだまだ日中の日差しは強く、
日没の20時ごろまで外は明るいです。
日本の4分の3程度の国土面積に
人口はたったの500万人程度。
この数は福岡県民の人口とほぼ同じで、
日本の人口の
たった4%にも満たないとのこと。
島国という点では
日本と共通しているけれど、
ここNZは移民の国。
民族、宗教を超えて多種多様な人種が暮らしています。
私たちの様にアジア人で日本人となれば
もちろんマイノリティになるけれど、
NZ最大の都市オークランドであれば
生粋のNZ人を探す方が大変かも。
なんて物知り顔でお伝えしていますが、
実のところ、
私自身はワーホリで来るまで
この国のことは殆ど知らず。
唯一の情報と言えば、
『人の数より羊の数より多い?』という、
冗談なのか本当なのか
分からない程度の話しだけ
でも、これは本当の話だった!
最近は羊の数も減ってはきているものの、
それでも現在、
人口一人当たりに対する羊の数は約5頭。
今も昔もアウトドアには興味は無いし、
映画も見るなら断然に邦画でして。
そんな私を見て、
周りは何でNZを選んだのかと疑問。
さらに悲しい無知は
オーストラリアのお隣の国なら
さぞかし温暖な国であろうと
勝手にトロピカルなイメージまで抱かせ、
真冬の南島、
雪舞い散るクライストチャーチに
薄手のパーカー1枚で降り立った私。
寒さで震える私を見つけ、
ホストファミリーが大慌てで
セーターを持って出迎えてくれたのは
心温まる思い出。
そんな私がなぜワーホリを終えた後も
NZに残ることになったのか。
それにはパワフルな女性たちの存在が
大いに関係しています。
現首相を務めている
ジャシンダ・アーダーン Jacinda Ardernは、
現職の首相として初めて
産休と育休を取得したことで
世界中のメディアに取り上げられたのを
ご存知の方も多いのでは。
就任当時、彼女は37歳。
最年少での首相就任というニュースには、
同じ女性として尊敬し誇らしくあったが、
それでもNZなら有り得ることよ、と
さほどの驚きはなかったかなと。
が、そのわずか3ヶ月後の妊娠発表!
一瞬、英語の聞き間違いではないかと、
このちっとも上達しない
英語スキルをまずもって疑い、
それが本当だと分かった時には
もう言葉にならず、鳥肌が。
日本の初の女性首相の誕生は
今だ影すら感じない中で、
アーダーンはすでに歴代3人目。
そのうえに『産休、育休』とは…。
これにはさすがに度肝を抜かれました。
もっとも、歴史を遡ると
1893年、世界で初めて
女性への参政権を獲得したのも実はNZ。
政治だけでなく、
ビジネスの分野においても
女性の活躍はめざましく、
『世界で女性が働きやすい国』や
『男女間賃金格差』などの
国際比較調査では女性が経済的に
自立しやすい国として評価されているのです。
*『世界ジェンダー・ギャップ報告書』では
経済的、教育、健康、政治的影響力の観点から
男女間の平等を算定。
ニュージーランドは世界4位
(WEF, Global Gender Gap Report, 2021)。
イベントコーディネーターとしての仕事がら、
女性と一緒に仕事をする機会は多く、
彼女たちは子育ての真っ只中でありながら、
フリーランスや起業家として
フルタイムで活動している。
職場でボスが女性ということも珍しくない。
ワイナリーで働いていた時には、
併設のカフェで
パートタイムで働いていた女性が、
レストラン増設に伴い
サブ マネージャーに大抜擢されたことがある。
彼女は確実に50歳を超えていた。
女性で、しかも50代を過ぎても
彼女の様に実力があれば
組織のトップに抜擢される。
こんな当たり前のことが
きちんと実現されている社会。
昔から結婚をして
子供を産み育てることが
女性の仕事と教えられてきた私は、
30歳を目前にして
結婚の予定も無ければ、
そもそも
“したい”という気持ちも持てない。
自分は
随分とレールから外れてしまったもんだ
と嘆きながらも、
パワフルに社会で活躍するNZの女性を
どこか自分とは別の存在に感じていた。
そんな時、
ひょんなことから
Women Studies(女性学)の存在を知る。
そこにはこれまでに私が女性として
仕方がないと思って抱えてきた
諸々のことが、
学問として問題提起されていたのだ。
面白い!
もっと知りたい!!!
こうしてNZの大学で
Women Studies を学ぶことを決意。
圧倒的な大自然を見ても
心がびくとも動かなかったのに、
人生ってわからないものです。
その後もNZでのご縁は続き、
結婚をして、
昨年は第一子となる長女を授かり、
今もここで暮らしています。
次のジャーナルでは、
これまでの経験と
新たに始まった
母としての生活を通して、
私がどんなことを
皆さんとシェアしていきたいのか。
その辺りの想いをお話しできたらと思います。