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ふたりでシェアするペアレンツギフト
MATO JOURNAL 編集部
—使いやすいデザインと機能的な素材が特色の、MATO(マトー) by MARLMARLの2018コレクションが完成しました。
今回のコレクションの要にもなっている、東レ株式会社の開発した「ウルトラスエード®️」。具体的にはどのような素材なのでしょうか。
八木:ウルトラスエードは、海島型極細繊維を使用した不織布構造からなるスエード調人工皮革です。上質でなめらかな風合いなど本革にはない機能的な特徴がいくつかあります。
例えば、MATOアイテムの切りっぱなし部分を見てもらえるとよくわかるのですが、色と厚みが均質です。長年使用していても、ほつれてくることはありません。
他にも、水に強く、お手入れがしやすい、驚くほど軽く柔らかいのに丈夫などの特徴があります。
“The beautiful possibilities(美しき可能性)”をウルトラスエードのタグラインにしている通り、MATOをはじめ商品の可能性を広げるような素材になれたらと思っています。
渡辺:耐久性には自信があります。僕自身、ウルトラスエード素材のバッグを仕事用に使っていますが、5年経っても破れはもちろん、色あせもほぼなく、綺麗なままです。
耐久性の高さ、軽さ、お手入れの簡単さ、型崩れしにくいなど、ウルトラスエードの特性はマザーズアイテムの素材としてとても適しています。
—マザーズバッグとしての機能も備えているMATOのコレクション。
ママバッグでは「軽さ」と「丈夫さ」が重要視されますが、加えてMATOが目指した「ファッション性」と「機能美」の実現は、このウルトラスエードなくしては難しかったでしょうね。可能性を広げてくださりありがとうございます。
—耐久性の高さやお手入れのしやすさが魅力的ですね。長く使う上で特に気をつけることを教えてください
八木:定期的にブラッシングするなどをお勧めします。また、汚れがついた時にはなるべく早めにケアしてください。
専用のケアグッズなどは特に必要なく、ご家庭にあるものでお手入れ可能です。
詳しい手順は お手入れ方法で紹介しています。
—ウルトラスエードが使われている製品を教えてください
八木:今から50年ほど前の1970年に開発され、パリコレでデビューを飾った時は、「アダムとイヴのイチヂクの葉以来、世に出た最も画期的な素材」として大旋風を巻き起こしました。当時は「エクセーヌ®」というブランド名で、世界初のスエード調人工皮革でアパレル業界を中心に注目を集めていました。
渡辺:衣料用に開発され、アパレル製品として使われていましたが、技術開発や用途を拡大したことで幅広く使われるようになりました。時計のバンド部分やシューズなどの毎日使うアイテムや、ソファーなどのインテリアにも使われています。近年では耐久性と見た目の美しさ、通気性やメンテナンス性などが評価され、自動車の内装や航空機の内装にも採用されています。
—「ウルトラスエード®」のおかげで、天気や気候に左右されにくく、今まで以上にファッションを楽しめそうですね。
—開発のきっかけや、エピソードについて聞かせてください
八木:東レは総合化メーカーになります。
開発したのは故・岡本三宜博士で、当時ナイロン製品のストッキングが丈夫で、足が細く見えるということでブームになっており、東レとしてもナイロンの売上規模が大きかったんです。細い糸が高級で、今後必ず役に立つ、またストッキングに使用している糸よりも細い糸(世界一細い糸)を製造したいという思いから、開発がスタートしたと聞いております。その技術が極細繊維のポリエステルを生み出しました。
2013年グローバルブランド「ウルトラスエード®」にブランド名が変わり、製品バリエーションと用途を拡大しました。
渡辺:ウルトラスエードの糸の断面は髪の毛よりも細く、顕微鏡で観察すると極細繊維が束状にまとまっています。これを「海島(うみしま)」構造というのですが、開発者の岡本博士は金太郎飴から発想を得たといいます。この構造によって、細くても切れることなく丈夫で、全長900kmでも重さが1gにも満たないほどの軽さを実現しました。
八木:ウルトラスエードの発色のよさは、この極細繊維に関係しています。極細繊維は通常染まりづらいものですが、独自の染色技術により、ニュアンスカラーもムラなく発色し、色あせしにくい素材に仕上げました。MATOアイテムの各カラーも、オーダーを受けて独自に調合しています。
—たしかに、本革では濃色はよく見かけるのに比べて淡色はクリーム色・サンドベージュが中心ですね。
渡辺:蛍光色や原色も鮮やかに発色します。ウルトラスエードは品番によって用途や厚みが異なるのですが、なかには100色ものカラーバリエーションを持つシリーズもあります。お客様の要望に応じてインクジェットプリント加工や箔プリント加工にも対応可能。後加工のバリエーションも年々増加しています。
—合成皮革のファッションアイテム「エコファー」がアパレルでも定着してきましたが、ウルトラスエードも「エコ」な素材ですね。評価や需要に変化はありましたか?
八木:日本ではまだ「人工皮革は本革の代替品にすぎない」という見方がありますが、昨今エコやサステナブル素材への要望は高まっており、欧州や北米の顧客はその考えが強いことからウルトラスエードを高く評価いただいています。衣料品をはじめ自動車・飛行機の内装としても、海外ブランドやメーカーさんからの需要が多い現状です。
渡辺:素材ができあがる過程で動物を殺さないという点でもエコですが、ケミカル・リサイクルシステムの導入、植物由来ポリマーへの移行など環境負荷低減に積極的に取り組み、責任ある製品づくりを通じて持続可能な社会の実現を目指しています。ウルトラスエードは、未来の「美しき可能性」に向けて進化する素材です。
—最後に、MATO journalを読んでいる方へメッセージをお願いします
八木:ウルトラスエードについてお話ししましたが、言葉だけではウルトラスエードは分からないと思いますので、実際に店頭に行って頂き手に取っていただきたいです。また、実際にご使用頂く事でメンテナンス性や耐久性などウルトラスエードの良さを体験して頂けると思います。是非、MATO(マトー)とウルトラスエードのファンになって頂けたらと思います。
—環境に配慮したサステナブルな素材、という点でも「美しき可能性」を感じますね。ありがとうございました
(写真右)東レ株式会社 ウルトラスエード事業部 八木伸一 さん
ウルトラスエードの企画販売を担当。世の中のニーズやお客様取引先からの要望を受けて、ウルトラスエードを使った新しい商品の開発も行う。
(写真左)東レ・ウルトラスエード・マーケティング株式会社 営業部 渡辺康介 さん
ウルトラスエードのデリバリーを担当。店頭に立つこともあり、商品を手にするお客様と直に接する機会も多い。
*ウルトラスエード®は、東レ株式会社の登録商標です。
Ultrasuede®
http://www.ultrasuede.com/
Interview & text : MATO journal 編集部
Photograph : 根本健太郎
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