PARENTS JOURNAL

海外旅が子どもにくれたもの。これだから旅はやめられない

もしも私が今20代で、
結婚もしていなくて、
子どももいなかったとしたら。

ありえないけど、ふと、そんなことを考える瞬間があります。

もし、そうだったとしたら。
私がやりたいことはただ一つ。

世界中を旅したい。
見たことのない景色が見たい。
日本以外の文化の中で暮らしてみたい。

そう思うのは、今まで行った先々でたくさんの刺激を受け、
たくさんの出会いを経験してきたからかもしれません。

知らない道、わからない言葉、
自分の中に今までなかった新しい何かとの出会いが、
どれだけ私の心を踊らせたか。

人によって、その時によって「旅」に求める要素は違ってくると思いますが、
私が旅に求める一番の目的は圧倒的に「刺激」。

石川 明日香

私が感じてきたその刺激を、今度は子どもたちにも沢山感じてほしい。
そう思って今まで3人の子どもたちをいろんなところに連れて行きました。

母目線で見てそれぞれに「良い刺激」になったかなと思う旅。
思い出を振り返りながら、思わず涙が出そうになりました。

——————

石川 明日香

今年まもなく成人を迎える長男の良い刺激は、
きっと小学5年生の時に行ったニューヨーク。
当時私は離婚直後で、なんとか家族みんなの気分を上げたくて旅に出ようと考えました。

子どもたちに
「どこか旅行に行こうか?どこに行きたい?ハワイなんてどう?」
と聞くと、
当時10歳、7歳だった子どもたちから
「ニューヨークに行きたい!」
という意外な答えが返ってきました。
「ママがよく行ってるから、僕たちも行ってみたい」
というのが理由だったそう。

母子3人でのニューヨーク。
私は5~6回目の訪問だったのと、現地に友人も何人かいたのであまりハードルは高くなかったのですが、東京育ちの息子にしてもタイムズスクエアのネオンや熱気はかなり刺激的だったようです。
ブルックリンブリッジを歩いて渡ったり、自由の女神を見に行ったり。
観光も沢山しましたが、そんな中でも印象的だったのは地下鉄なんだそう。

石川 明日香 石川 明日香

それまで英語にも海外にも興味がなかった息子ですが、
このニューヨーク旅行を機に海外に興味を持ち始め
小学校卒業の時には「高校は海外の学校に行きたい」と言うようになりました。
日本以外の場所で生活してみたい!というのが理由でしたが、
有言実行、中学を卒業してすぐに単身カナダへ留学しました。

ニューヨークへ行った時のインスタに、当時の私はこう書いていました。

石川 明日香

「僕は自分の知ってる場所を広げたい by REN」

南国リゾートを考えていたのに「NYに行きたい!」と子ども達に声を揃えてリクエストされて、この夏NYにくることになった。
来てよかったなーと思えるのは、きっともうちょっと成長してからかな。
何か少しでも感じてくれているといいなー。

2017.7.30 Instagramより

石川 明日香

そう、きっとその時に分からなくても新しい何かに触れることで、
無意識で大きな影響を受けているんだと思うんです。
大人も子どもも。
息子を通してそれを痛感した、そんな旅でした。

石川 明日香

長女は小さい頃からお城やプリンセスが大好きで、
「10歳になったら本物のお城を見に行こうね」
とずっと約束していました。

10歳を迎えた娘は、学校に行くことを嫌がるようになり、母も娘も精神的に辛かった時期。
大きな気分転換をしてあげたかったことと、約束していた母の意地もあり、
10歳のタイミングでフランスを訪れました。

石川 明日香 石川 明日香

夢にまで見たリアルなお城では、時差ボケと人の多さで不機嫌MAXでしたが。笑
印象的だったのが、パリの街を歩いていた時のこと。

「ママ〜、ドアの色がかわいいね」

住宅街にある普通の家のドア。
日本にはない色使いに感激している姿に、私にはない目線だなというか、
10歳のこういう素直な感性に響く日本とは違う街並みや色彩感覚との出会いに、
連れてきてよかったな〜と思ったのを覚えています。

石川 明日香 石川 明日香

パリから撮影のためにリヨンに移動したのですが、その車内でトランクをしまえず
慌てる我々に、紳士が手を貸してくれたり、その後も道を聞けば一緒に付いて案内してくれたりと
当たり前に子連れに優しい姿に2人で感激しました。

日本にももちろん優しい方は沢山いますし、逆にヨーロッパだからみんなが優しいというわけでもないですが、色んなところで文化の違い、というか、日本とは何かちょっと違う感じ、を娘も感じていたように思います。

中学3年生の今、思春期真っ只中でたまに娘にイラっとすることもありますが、この時の2人で旅した思い出が私の中にも強く残っていて、今の子育ての励みになることもあります。

彼女があの時に見た色や感じた空気が、この先の娘の創作に活きることを願っています。

石川 明日香

一番下の娘は生後5ヶ月で初めて飛行機に乗り、
日本以外だと留学中の兄に会いにカナダへ行ったり、
昨年はイギリス、フランスと訪れていますが、
流石に何も覚えていないでしょう。笑

石川 明日香

でも
「覚えていなくてもいい、その瞬間に何かを感じることが大事」
というのが我々夫婦の考え。

たまたま、上の2人に強い刺激になった旅が日本以外でしたが、
海外旅行にこだわっているわけではなくて、
2歳の娘には自然とも沢山触れさせてあげたいのでアウトドアやキャンプ、
国内の行ったことがない場所にも沢山連れて行ってあげたいと思っています。

自分の中にはない新しい何かと出会える。
それが旅の醍醐味。
これからも旅を通して、子どもたちにたくさんの可能性との出会いを与えてあげたいなと思います。

ページの上部に戻る