PARENTS JOURNAL

<MATO×The GIFT チャリティーイベントレポート>Vol.2 大山 遥さん

こんにちは!
MATO JOURNAL
編集部です。

 

先月末、MATO by MARLMARL初となるチャリティーイベントを開催いたしました。

 

様々な立場で子育てに関わる登壇者の皆様からお話いただいたメッセージや想いを、

ご来場が叶わなかった皆様へMATO JOURNALで少しずつシェアしていきます!

 

 

Vol.2は、NPO法人チャイボラ代表を務める大山 遥さん

大山さんは児童養護施設を含む社会的養護の施設で子どもたちを支える職員の確保と定着に取り組む団体を立ち上げ、活動をしています。

 

施設が抱える問題とは。
そして私たちができるアクションについてお話しして頂きました。

 

 

児童養護施設とは?抱える問題とは?

 

児童養護施設は、大半は虐待にあったり、家庭の事情で家族と家に居られなくなった子供たちが生活し、そこから学校や幼稚園などに行く。

養育をする、家の代わりとなる施設です。

施設に職員が住み込んだり、通ったりしてサポートしています。

 

自分の意志で入所に至るもいますが、

周りにいる大人の働きかけによって入所する子もいます。

 

今とても問題となっているのは、児童養護施設で働く職員が不足していること。

TVやニュースで見る施設って、ポジティブなイメージがないですよね。

ましてや"働く"となると『過酷そう・しんどそう・給料が低そう…』とネガティブな条件が浮かび就職先の選択肢にはなりにくいんです。

さらに『どんな資格が必要なのか?どんな仕事内容なのか?どうやって就職するのか?』と就職への窓口や情報が少ないのが現状です。

 

実際私のよく知る施設では、職員が一人で日中は8人、夜は15人から20人の子どもをみるというワンオペ状態。

その子どもたちは男女混合で年齢も様々な施設もあります。

職員不足が深刻ですね。

 

 

施設の子供と親の関係。

 

こういったお話しさせていただく機会があると私が必ず話すことがあります。

私自身もサラリーマン時代そう思っていたのですが、

虐待のニュースを見た時『虐待するなら産まなきゃいいのに』と思う方もいると思います。

 

でも、施設に入って一番びっくりしたことは施設にご両親からの連絡がたくさんあることです。

少し前髪を切るだけでも、通知表の変化でも、本当に些細なことで自分の子供を思い心配して連絡がきます。

そして何より、子供が親を思う気持ちは本当に凄まじいんです。

何かあるたびに自分のお母さんやお父さんの話をする子もいます。

 

虐待されていても、ニュースで報道されるような身体的な虐待の割合は少ないんです。

実際施設に入っていても、それぞれ家庭の状況が違います。

親子の結びつきは想像以上に強くて、それを事情を知らない他人がどうこう言うことではないと思っています。

また家族一緒に暮らしたいと思っている親御さんや子どもたちもたくさんいます。

 

もちろん虐待を肯定はできませんが、苦しんでいる親御さんへのケアも大切。

だからこそ児童養護施設には、子供を家庭に戻してあげる「家庭復帰」という大きなミッションもあるんです。

 

もし周りにそのような家族がいたら「施設にいた子」のような色眼鏡をかけずに、

「何かできることある?」といったように、普通に話したりコミュニケーションをとってほしいです。

 

 

 

どの段階で施設に相談ができるのか?子どもや家庭のことで悩んだら・・・

 

児童養護施設の支援は、施設にいる子供たちだけではないんです!

子育て広場のような形で地域へ開放している施設もあります。

どの段階という制限はなく、ちょっとしたことでも気軽に子育ての相談ができる環境づくりを進めています。

 

まだまだクローズな施設も多いのですが、もっとオープンにしていこうという動きがあり

それが"垣根のない子育て"に繋がっていくと思います。

 

 

私たちができる職員不足問題へのアクションとは?

 

昔は社会福祉士・保育士・教員という資格がないと基本的には児童養護施設で働けなかったのですが、今は無資格でも働けるようになってきました。
子育てをひと段落させた方がパートで入ってくれてる方もいます!本当に即戦力です!
子供を中心にその子にとって何が最善か考えられる、そしてその子の親や家族にとっての最善を考えることができる人が必要です。

 

施設だけでなく、私たちのような中間支援の団体でもボランティアママさんが大活躍しているので、ご興味がある方はぜひ参加していただけたら。

それが難しい方は寄付も受け付けています。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

ニュースで見ている印象とは大きなギャップがあったのではないでしょうか?

虐待。それは決して許されることではないですが、親子の絆は他人では計り知れないものですよね。

 

自分の身近な人が悩んでいたり、抱えていることに少しでも目を向け

そして普通に接するということ。

 

自分が抱える些細な悩みも抱え込まず、どこかに相談するというアクションを起こすということ。

 

いろいろな家族のかたちを知ることも“垣根のない子育て”へ繋がるはずです…

 

 

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