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かわいい息子が「みんなの無意識をほじくり回す」。作家・大田ステファニー歓人が今感じていること
MATO JOURNAL 編集部
こんにちは!
MATO JOURNAL編集部です。
先月末、MATO by MARLMARL初となるチャリティーイベントを開催いたしました。
様々な立場で子育てに関わる登壇者の皆様からお話いただいたメッセージや想いを、
ご来場が叶わなかった皆様へMATO JOURNALで少しずつシェアしていきます!
Vol.3は、一般社団法人SSネット代表理事 自立援助ホーム長を務める大宮 美智枝さん。
公立中高学校の教員を経て、いのちの教育をライフワークに教材カリキュラムの開発などに携わっています。
今回は、大宮さんが自立援助ホームを運営していく中で伝えたい現状と課題をお話しして頂きました。
大宮さんが自立援助に携わったきっかけは?
私はもともと中学、高校の教員をしていました。
学校の教育の中で子供と関わっていく過程で、自分が抱えている悩みを口に出して言えない子どもたちを多くみてきました。
中でも家族のかたちの多様化が進み、両親が再婚をしたステップファミリーが当たり前になった現代では、その家族のかたちが良いこともあれば、今までに無かった新たな問題も起きています。
継父や継母との関係に悩んでいる子どもも多く、虐待や性的暴力を受けている子もいました。
そんな事情を学校でも話すことができず「家にいても地獄。外にいても地獄」と嘆く子もいました。
しかし、義務教育を終え16歳を迎えた子どもたちは福祉施設には入所できることができず、
16歳では保証人がいないと家も借りることができません。
家を出て自分で働くとしても働く先の選択肢がとても少ないのが現状です。
そのような行き場のない子どもたちを支えたいと思い、自立援助ホームを始めました。
うちに来る子どもたちの場合、入所の原因の9割は家庭内での虐待です。
自立援助ホームが抱える課題とは?
児童養護施設に比べ、設立するハードルはとても低いんです。
開業資金・運用費は自分で出さなくてはなりませんが、施設にする一軒家の家賃は、国と都道府県が半分づつ出してくれます。
今年6月時点では約230件ありますが、この5年で50件ほど増えているような状況です。
ですが、潰れてしまっている施設も多く、その原因は金銭的サポートの裏付けがないことです。
子ども達間のトラブルや不祥事が起きると施設は指導が行き届いていないとみなされ、運営にストップがかかり、経済的援助も滞ってしまいます。
本来学籍がある子供たちは児童養護施設に住むのですが、条件が満たない子どもたちは自立援助ホームにきます。
自立援助ホームは養育されるのではなく働くことが目的となるため、入居費にも毎月3万円程度実費でかかります。
子どもたちは必死にアルバイトをして必要な費用を払っているんです。
例えば児童養護施設なら修学旅行費も出るのですが、自立援助ホームの子には出ないんです。
同じ立場で同じ権利があるはずの子どもたちにも、施設によって補償の内容に差があるのが現状。子どもたちにとっては大きな問題です。
大宮さんが思う日本の子育ての問題
日本の教育システムはとても効率的だし、ポリシーやシステムは素晴らしいと思います。
その一方で子どもの多様性に柔軟ではない部分があります。
教師も親も偏差値や学力で評価しがちですよね。
海外では飛び級があったり、ギャップイヤーで世界を回ってもいいし…学業に対して選択が柔軟で自由ですよね。
またペアレンツが子育てに行き詰まったら相談したり預けることができる施設があったり、発達に課題がある子が技能を学ぶ機会があったりと
福祉や教育、教師や親の枠組みでというのではなく、目の前の未来ある子どもたちをどう育てるかに重きを置いていると思います。
子どもたちが失敗しても許して、背中を押す一言をかけてあげて欲しいです。
そしてそんな社会を目指していきたいです。
施設に入る前に食い止めるには
「垣根のない子育て」ができていれば、自立援助ホームに来る子どもたちの数はぐっと減ると思います。
閉塞的な子育てが子どもたちの心の悩みを生み出します。
そして親御さんも子育ての悩みを言える人がいれば
「風通しの良い子育て」ができ、親子の関係ももっとうまくいくと思います。
*
いかがでしたでしょうか。
義務教育を終えたとはいえ、まだ大人の援助や支えが必要な子どもたち。
そして自立援助ホームで暮らすことになる子どもたちの状況は、普段の生活でなかなか知る機会がないのではないでしょうか?
風通しいの良い子育て環境を作ること、そして子どもの多様性を柔軟に受け止め尊重すること。
それが親子の関係をより良いものにして、施設に来る子どもの数も減らせるはずです。
これは当たり前にみえて、実際は難しいことのように思います。
まずは視野を広げて、
お子さんへの日々の声掛け、身近で子育てをしている人への声掛けから始めてみてはいかがでしょうか?
小さな積み重ねが垣根のない子育てに繋がると願っています。
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MATO JOURNAL 編集部
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