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かわいい息子が「みんなの無意識をほじくり回す」。作家・大田ステファニー歓人が今感じていること
MATO JOURNAL 編集部
こんにちは!
MATO JOURNAL編集部です。
先月末、MATO by MARLMARL初となるチャリティーイベントを開催いたしました。
様々な立場で子育てに関わる登壇者の皆様からお話いただいたメッセージや想いを、
ご来場が叶わなかった皆様へMATO JOURNALで少しずつシェアしていきます!
Vol.6はMATO by MARLMARLのイメージムービーにも出演いただいた、もりたみどりさん。
美術家やイベントオーガナイザーとして活躍しています。
大学教授でトランス女性の妻と、3人の息子との5人家族の母であるもりたさんに、
新しい家族のかたちとこれからの家族のあるべき姿をお話ししていただきました。
夫から妻になったパートナーとの、新しい家族のかたち
パートナーであるエリンとは元々男性と女性として出会い、結婚して3人の子どもがいます。
エリンは45歳の時にカミングアウトし、自分の国であるアメリカで性別を女性に変えました。
ですが日本では同性婚は認められていないために、日本では男性とされ二重性のままなんです。
トランス女性となったエリンとは今でも変わらずに家族です。
子どもたちの親として、友人として家族として、本当に信頼している最高のパートナーだと思っているからです。
そんなエリンは現在、別のパートナーと1年間ドイツで暮らしています。
妻の新しいパートナーとは、私も子どもたちも家族として仲良く交流をしているんです。
そして現在私は、次男と三男の他に、アーティストの子たち3人と一緒に日本で暮らしています。
わたし達は“家族愛”と“恋愛”や“性愛”は切り離してもいいのではないか?という風に考えています。
問題はお互いに嘘をつき合うことだと思うんです。
結婚って、恋愛から始まるのはもちろんですが、子どもが産まれて新しい絆が生まれて…
恋愛という感情だけではなく“家族愛”が生まれますよね。
“家族愛”のある家族のかたちは、もっと多様であっていいんじゃないかと思います。
心の居場所こそが家族である
今、同性婚の裁判をしています。
同性婚の訴えの大半は同性のパートナーと愛し合っているから婚姻を認めてほしいという主張だと思うんですが、
私たちは恋愛はさておき「家族」として愛し合っているのだから同性でも婚姻を認めてほしいという訴えをしています。
「家族」というのは、心の居場所であり支えであるものだと思っています。
性愛のために結婚するのではなく、考え方を柔軟にすれば、新しい家族のかたちを作れるのではないかと思うんです。
「Chosen Family」のように、信頼し合えるもの同士が家族となり子どもを育てる、そんなかたちもあっていいと思うんです。
もちろん恋愛結婚したパートナーとずっと仲良く恋愛が続くことは、とても素敵なことだと思います。
でもその現在の結婚制度には乗れない人たちに、別の選択肢を作ってあげてもいいんじゃないかという想いで訴えています。
3人の子どもたちとの関係は?
子どもたちにとって何が大切かというと、自分の親が自分をどれだけ愛し考え見てくれているかですよね。
そして両親がパートナーとして誠実な関係性であるかを大切にしていると思います。
私に別のパートナーができた時、息子に「お母さんエリンに隠してることあるの?」と聞かれたことがあって。
その時は正直に「何もないよ!あなたの親としてあなたを守ろうと決めているし、エリンとはパートナーとしてしっかり信頼しあっているから不安に思わないでいいよ」と声をかけました。
それからは子どもも納得して安心してくれたのか何も聞かれなくなりましたね。
よく子どもが20歳になるまで離婚しちゃいけないとか、子どもには不仲を隠しておこうとか言いますが、それっておかしいですよね。
子どもを馬鹿にしているなと感じてしまいます。
子どもだって両親をよく見ていますし、不仲な両親の空気を感じます。
子どもを一人の人間として尊重し、家族のかたちや問題を子どもと交えて話すことが大切なのではないかと思います。
何より、パートナーにも子どもにも誠実な自分であることが大切だと思います。
*
いかがでしたでしょうか。
ここ数年でよく耳にするLGBTQという言葉。
いろんな性に柔軟な世界になる一方で偏見や制度・法律の壁はまだまだ大きいのではないかと思います。
トランスジェンダーのパートナーではなくても、どんな家族のかたちであろうと
自分のパートナーや子どもに対して誠実であることは大切にしなくてはならないことではないでしょうか。
柔軟に新しい家族のかたちを受け入れて、その可能性を広げてみませんか?
垣根を超える子育てにもいろんな形があること。
どんなかたちの家族も子どもを思い、愛に溢れていることを忘れないでほしいと願います。
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