MATO PARENTS JOURNAL
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PINK
超低出生体重児の外来通院のはなし:眼科編
街角レモン
先日、夫の実家に行ったとき、義母のポロッと放った一言がずっと頭に残っている。
「この子が男の子になりたい!って言ったら、男の子として育てるしかないでな〜。」
あまりにナチュラルに話すのでそれ以上話を広げることはなかったが、改めて「この人と家族になれてよかった」と思えた瞬間であった。
そういえば、夫と結婚を決めたときもそうだった。
わたしたちに立ちはだかったのは、姓どうするか問題。
元々、ずっと自分の姓で生きていきたいなと思っていたわたしは、結婚の話が出た際、すぐにその旨を夫に伝えた。
現在の日本において、女性が男性の姓に変える割合は95%ほど。「本当は姓を変えたくなかったが、変えざるを得なかった」という知人の話もちらほら聞いたことがある。夫婦別姓は認められていないため、どちらかの姓を選ばないといけないのだが、この圧倒的な男女差にずっと違和感があった。
もちろん夫自身も自分の姓を気に入っていたのだが、このような社会問題を一緒に向き合い、よく話し合った上で、結果としてわたしの姓にするという選択をした。
ここまではよかったのだが、問題はここから。それぞれの両親や親族にその旨を伝えたとき、安易には受け入れてもらえなかった。
それも無理はない。田舎で育ち、男兄弟がいない夫。その反応も想定の範囲内である。
そんな中、義母だけは違った。
「男だから姓を変えない、女だから姓を変える、ではなく、2人で話し合った結果ならそれがいいと思うよ。お父さんやおばあちゃんにはわたしからよく伝えておくね。」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」と心の中で叫び、
「お義母さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」と心の中で泣いた。
結婚はどちらの姓でもいいものなので、「2人で話し合った結果ならそれがいいと思う」という言葉は、書き起こしてみると当たり前のことなのかもしれないが、実際にそれを受け入れ、背中を押してくれる人がまさかこんな近くにいるとは思わなかった。
自分の価値観に混じり合う人と家族になれるなんて。大きなしあわせを感じた瞬間だった。
義母は「男」とか「女」とか、性別での括り方をしない。「この子が男の子になりたい!って言ったら、男の子として育てるしかないでな〜。」と言ったあの言葉も、きっと本心であろう。
もしも実際に娘がそんなことを言ったとき、わたしはどんな反応をするのだろうか。
すんなりと受け入れられるよ!と断言はできないものの、「いろんな性自認があってもいいよね」というマインドを持ち合わせているのは確かだ。
自分が女だからという理由でなにか制限がかかる生き方をしなかったからこそ、娘も自分の好きなようにのびのびと育ってほしい。
娘にどんな自認が芽生えるかは現時点ではわからないが、いつだって娘を1人の人間として尊重できる母親であり続けたいと思う。
今は「これが似合うかな?」と、こちらで判断して着せているお洋服たち。
フリフリのワンピースが着たいといえばそれを買ってあげたいし、電車の形をしたリュックサックが欲しいといえばそれも買ってあげたい。
ともかく、娘が「これがいい!」と意思表示してくれる日が、待ち遠しい。