MATO PARENTS JOURNAL
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BLUE
息子の「どっちでもいい」の真意とは
柿沼 絢乃
MATO JOURNALの記事、読んでくださっている方はお気づきかと思うのですが、
基本的に自由な内容で書かせてもらっています(ありがとうございます!)
そんな中、時々MATO編集部さんより「こんなテーマで書いてみませんか?」という季節ごとのお題投稿のテーマを頂くことがあります。
この「お題投稿」は今まで気づくことのできなかった見方を与えてくれるので、私にとってありがたい視点のトレーニングです。
前回はMATO今季のテーマである「垣根のない家族のかたち」について書いてみませんか?
とお題を頂きました。
その時も、うまく書けず悩みに悩んだ末に、なんとなく自分の中にひとつの答えを見つけるという経験をしました。
普段何気なく過ごすだけでは見つけられない気づきを、お題投稿と向き合うことで得ています。
とてもありがたい経験です。
→ちなみにその時のジャーナルはこちら「働くパパ、働くママ、家族のかたち」
そして今回、新たなお題を頂きました。
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MATOの「垣根のない子育て」というメッセージには、
社会全体がペアレンツとなって、みんなで子育てできる未来になってほしいという
願いがあります。
そこで子供の成長を共有したり、頼り、頼られる人とのエピソードを書いてみませんか
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このお題を頂いた時「子供の成長を共有」はなんとなくイメージができたのですが、
「頼り、頼られる」というキーワードが引っかかり、
私にとって書けないエピソードなのでは?と不安を抱きました。
思い切って「書けそうな気がしないんです」とお伝えしようか迷いました。
引っかかった理由はふたつあります
ひとつめ
「子育てにおいて頼る先」として真っ先に思いつくのが実家の存在でしたが、
私の実家も夫の実家も地方にあり、
東京で子育てをする我が家にとって物理的に遠い存在だったからです
はじめての雪も海も、実家で経験しました。離れた実家だからこそ経験できたこともたくさん。でも私たち親子にとって、残念ながら実家はすぐそばにある存在ではありません。
ふたつめ
これは子育てとは関係ない、私自身の問題なのですが
昔から「人に頼る」ということがあまり得意なタイプではないんです。
誰かに何かを頼む時「こんなことお願いされたら迷惑なのでは・・・」という葛藤が消えず、
いい大人と言われるような年齢になっても、頼り方が下手くそだいう自覚がありました。
我が家の子育て、頼る先はどこにあるのだろう。。。
ずっとなんとなく、そんな不安をどこかに抱えながら過ごしてきたのですが、
これは改めて「頼る」ということを正面から考えてみる、良い機会を頂いたと思いました。
子育てにおいて、家族の枠を超えて「頼る」とはどんなことなのか、
考え、書いてみることにしました。
いざ、という時。私はこの街で誰に頼れるのか。なんとなく直視してこなかったことのひとつでした。
そういうことを考えながら過ごしていると、
気づきを与えてくれる出来事に出会うから不思議です。
その日私は、長男の通院の付き添いで病院に行きました。
そこでばったり保育園のおともだち(と、その子のお母さん)に出会います。
おともだちのおうちも我が家と同じ男の子二人兄弟でしたが、
下の子はまだまだ小さな赤ちゃんで、ベビーカーで寝転びながら遊んでいました。
お兄ちゃんは相当体調が悪そうで、診察室に呼ばれた時にはぐったりしていました。
その時おともだちのお母さんから「本当に申し訳ないんですが、弟のことを見ていてくれませんか」と声をかけられたのです。
(今思えば、私の方から先にそう申し出る心遣いができればよかったんですが)
「もちろんですよ!」と言ってしばらく赤ちゃんを見ていましたが、泣くこともなく、息子がいないいないばあをするとにっこり笑ってくれました。
そして「ああ今私頼られたんだな」と思ったら、なんだか嬉しい気持ちになりました。
頼ってもらえた喜び、みたいなものが私の心の中に芽生えました。
「こんなことお願いされたら迷惑なのでは・・・」と思い続けてきた節があったので、
特に子供関係で誰かに何かをお願いすることに抵抗がありました。
でも頼られて初めて、全然そんなことないんだな。と思いました。
子供がいるからこそ「迷惑かけられない」と頑なになっていたところがありましたが
子供がいるからこそ「お互い様」のやさしい世界があるのかも。
そんな想いを抱いたのです。
もっと地域における繋がりなんかが色濃くある場所で子育てをしていたら、
こんなことは当たり前のことかもしれませんが、
そうでない場所で子育てをしている私にとって、この出来事は「気づき」を与えてくれた出来事のひとつでした。
実家が遠くても、血が繋がってなくても、
たまたま肩を並べて子育てをしている同世代の親であるというだけで、
十分頼り頼られる存在であっていいのかもしれない。
だって事実、私、頼られて嬉しかったじゃない。
頼るってことと迷惑をかけるってことは違うんだ。と
私の中の垣根がまたひとつ崩れた瞬間でした。
「頼り上手」であり「頼られ上手」でありたい。
地元も遠い東京で、そんな子育てができたなら。
気軽に頼ってもらえるように、私もいざという時は近くの人を頼る勇気を出してみよう。
きっとそこには「お互い様」のやさしい世界がある。
これからの私の子育てに、新たな指標がまたひとつ、できた気がします。
・・・後日談。
大きな段ボールで荷物が届いたので、息子たちと広々お絵描き。
自分の周りの人たちを、家族・親戚・友人関わらずどんどん描いていきます。
そのボーダレスな描きっぷりはまさに「垣根なし」
そんな子供の捉え方、大いに見習いたいものです。
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃
柿沼 絢乃